相続放棄の落とし穴

相続放棄を弁護士に相談するタイミング

文責:弁護士
横江利保

最終更新日:2026年02月18日

1 相続放棄が可能になる時期は?

 民法915条1項は、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純もしくは限定の承認または放棄をしなければならない、と規定しています。

 自己のために相続の開始があったことを知った時から、となっていますので、相続は既に開始している、つまり被相続人は既に死亡している、ということになります。

 逆に言いますと、Aの推定相続人である子のBは、Aに借金がいっぱいあるからと言って、Aの死亡前に相続放棄をすることはできません。これは当然のことで、Aが死亡する前にBが死亡してしまったら、BがAを相続することはないからです。

 

2 相続放棄を弁護士に相談するタイミング(被相続人の死亡前)

 例えば債務整理であれば、現時点で借金がない、またはほとんどないにもかかわらず、将来借金ができてかつ払えなくなった場合を想定した相談を弁護士に行うのは意味がありませんし、相談を申し込んでも断られるでしょう。

 相続放棄についても、被相続人として想定している方が健在の場合に、相続発生後を想定して相続放棄について弁護士に相談することは、一般的にはあまり意味がありません(もちろん、相続することを前提として生前対策の相談を行うことには意味があります)。

 ただ、被相続人として想定している方が高齢であるなど死亡が近づいている場合に、次のような内容について相談を行うのは有益でしょう。

 ①法定単純承認にあたるかどうかの確認

 被相続人の死亡後、相続財産の全部または一部を処分するなど(例えば被相続人名義の預金を引き出して相続人の生活費として使うなど)、法定単純承認に該当する行為を行うと、相続について単純承認をしたものとみなされ、相続放棄ができなくなります。

 そのため、ある行為を被相続人の死亡後に行っても法定単純承認にならないかどうかを確認するため、弁護士に相談してみるのは有益でしょう。

 ②管理責任についての相談

 民法940条は、相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は・・・相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない、と規定しています。

 相続放棄者の管理責任の規定です。

 相続放棄を行っても、管理責任を負うと負担が重くなりますので、負担を負わない方法等について、とくに相続財産に属し得る財産を占有している推定相続人が被相続人の死亡前に相談するのはメリットがあると思います。

 

3 相続放棄を弁護士に相談するタイミング(被相続人の死亡後)

 相続放棄を行うことができるのは原則として3か月の熟慮期間内になりますので、被相続人の死亡後については、できるだけ早く弁護士に相談するとよいでしょう。相続放棄をするかどうかを決めるにあたって財産調査をする場合は、一定の時間が必要です。

 また、単純承認に該当する行為を行ってしまうのを回避するためにも、早期の相談は重要です。

相続放棄に強い弁護士に依頼した方がよい理由

文責:所長 弁護士
横江利保

最終更新日:2025年06月11日

1 なぜ相続放棄に強い弁護士に依頼した方がよいのか

 結論から申し上げますと、相続放棄に強い弁護士に依頼をすることで、スムーズかつ確実に相続放棄を実現することができるといえます。

 相続放棄を弁護士に依頼するメリットについては、こちらでもご紹介していますので、参考にご覧ください。

 相続放棄は、手続きそのものは比較的簡易ではありますが、原則として一回しか行えない手続きであり、万一相続放棄が認められないと、取り返しがつかなくなる可能性もあります。

 また、被相続人死亡後3か月以上経過しているケースや、被相続人の財産に手を付けざるを得ないケースなど、裁判例などをもとに専門的な判断が必要とされる事案もあります。

 以下、相続放棄の手続きの特徴と、特殊な対応が必要となるケースについて説明します。

 

2 相続放棄の手続きの特徴

 相続放棄をするには、相続の開始を知った日から3か月以内に、管轄の家庭裁判所に対して必要な書類を提出する必要があります。

 提出すべき書類としては、相続放棄申述書のほか、基本的には、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(被相続人が子や兄弟姉妹の場合には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本)と申述人の戸籍謄本、被相続人の住民票除票または戸籍の附票が挙げられます。

 これらの資料を集めるのも、裁判所での手続きに不慣れな方にとっては大変であると考えられます。

 また、あまり知られていないことですが、相続放棄の申述をした後、家庭裁判所から申述人の方に対し、質問状が送られてくることがあります。

 この質問状に対しても、正確に回答をする必要があります。

 質問状への回答内容に問題がなければ、通常であれば家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が交付され、相続放棄の手続きは終了します。

 弁護士に相続放棄を依頼していると、この質問状への対応も任せることができますし、弁護士が代理人として手続きをしていると質問状自体が送られてこないケースもあります。

 

3 特殊な対応が必要となるケース

 被相続人がお亡くなりになられてから3か月以上経過した後に、被相続人がお亡くなりになられたことを知るというケースがあります。

 相続放棄は、あくまでも相続の開始を知った日から3か月以内に申述をすればよいことになっていますが、実務上は、申述した日が被相続人死亡日から3か月以上経過している場合には、裁判所に対してしっかりと事情説明をする必要があります。

 事情の説明が不足していると、場合によっては、相続の開始を知った日から3か月以上経過していると判定され、相続放棄が認められなくなる可能性もありますので、このような場合には相続放棄に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

 また、相続放棄をする場合には、原則としては被相続人の財産には一切手をつけてはいけません。

 しかし、被相続人の家にあるものを処分したり、葬儀等で被相続人の金銭を使わざるを得ないというケースもあります。

 このような場合、裁判例によって例外が認められているケースもありますので、相続放棄に強い弁護士に相談し、個別具体的な判断を仰ぐ必要があります。

 

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